新年あけましておめでとうございます!!今年もできるだけ感想を残していこうと思います、よろしくお願いします。
2022年12月28日に開催されたROUND.5、8ROCKSとアルトリの感想をおしゃべりします。
ROUND.5の結果はこちら
第一生命 D.LEAGUE 22-23 ROUND.5 結果 | D.LEAGUE(Dリーグ)
KOSÉ 8ROCKS
youtu.be主役は2GOOさん。
全員揃って上下黒の衣装なんて、床の色と同化しない?大丈夫??と心配するも、全くもって杞憂でした。
youtu.be2022年12月28日のこの2分15秒間、地球上でいっっっっっちばんかっこよかったのは間違いなく8ROCKSです。叫びたくなるくらいかっこよかった………!!現地で目撃できた人が心底羨ましいです。
前半ではまさに陰影でシルエットを強調し、音楽はドラム音のみ。引き算の末に生まれた「シンプルイズ無敵」をぶつけられた感があってシビれた。スポットライトを使って瞬間を切り取ってたのがかっこよすぎて…!暗転→逆光を背に後半がスタートするとき、「来るぞ来るぞ…!」とワクワクする「間」があったのが最高だった。凝った演出というわけでもないシンプルな場面転換なのに、黒→白へ衣装も照明も対比させてきたのが効いて、期待がむちゃくちゃ煽られた。
・0:54〜でゆっくり寄るカメラ、ゆっくりのビートで一人踊るYOUTEEさん。ここがなんだか8ROCKSらしくないというか、新しさを予感させてくれてすごく好きです。1:00の体勢を崩す振りとか、YOUTEEさんだからより映えるやつだなぁと
・1:18でジャンプしてTaichiさんとYU-KIさん(たぶん)に空中サンドされる2GOOさん。初見では何が起きたかちょっと信じられなくて、何度も見返した今でもまだ信じられない…。
・1:54〜YOUTEEさんのステップとRenさんのフットワークのコンビネーションかっこいい!しかもあんな速いビートに合わせて前に後ろに移動しながらとは!
・2:02〜ソロでトーマスをしながらセンターへ移動するYU-KIさん、ぴょんぴょんとクイックに横移動してるけど腕2本で体重支えながら出来る動きではないのでは…?!上半身が下半身の仕事してる
・2:07〜ドラムロールに乗せたTaichiさんのバク転やば…!!打点高っか〜〜!!空中で何回捻った??!?ドリルみたいな勢いで回っててびっくりした
・2GOOさんで始まり、ラストも2GOOさんで締めたのがかっこよかった!
ジャッジ結果発表後の2GOOさんのコメントによると、今作は元々はチャンピオンシップで踊る予定だったそう。そして伝えたかったことは「『凄いからかっこいい』じゃなくて、『かっこいいから凄い』」シルエットをしっかり見せること、音の取り方、ゆっくりしたビートで踏むフットワークなどで「かっこいいブレイキン」を伝えたかったと。
私個人の話をしてしまうと、それまでブレイキンに全く触れたことがなかったので20-21シーズンでの8ROCKSのことは「凄い!」と驚くことしかできませんでした。ひどいことにルーティーンを見たときなんかは「わ〜〜あぶない!!あぶ…っ ぁあ〜〜〜やめなよあぶないよ!!」とハラハラしながら子を見守る親みたいな反応しかできず。人間離れした技の数々に圧倒されっぱなしで、「ダンス」として受け止められていたかは非常に怪しいもんです。でもROUNDを重ねるごとに段々と目が慣れてきて、音へのアプローチやシルエットを観察する余裕が生まれてきたからか、ROUND.11あたり(遅い…苦笑)から、本当〜〜に何とな〜〜くではあるけれど「かっこいい!」とピンとくることが増えてきました。シーズンが終わってROUND.1から作品を見返してみると、「かっこいい!」をたくさん発見できました。8ROCKSに「ブレイキンを楽しめる目と感性」を育ててもらえたのだと思います。そして今も現在進行形で育ててもらってます。
8ROCKS今日もかっこよかったよ!!!!超絶シブいかっこよさをありがとう!!!!!
LIFULL ALT-RHYTHM
SEPTENI RAPTURESさんへ💌@SEPTENIRAPTURES #アルトリラブレター
— LIFULL ALT-RHYTHM (ライフル アルトリズム ) (@LIFULLALTRHYTHM) 2022年12月24日
#Dリーグ #アルトリ pic.twitter.com/u32dQADzJ2
恒例のアルトリラブレター。今ROUNDの作品タイトルである「VALUE (価値)」も絡めたメッセージなのが良いなぁ。
今回はなんと3名のSPダンサーを起用。御三方の紹介コメントはこちら↓
youtu.be↑ サ ム ネ が 天 才 。アルトリカレンダー(発売未定)に絶対絶対このカットを入れてくださいお願いします!!
ただただ、息を呑みました。コンテンポラリーを主軸に活躍されてきた淳さんと亜彩実さんが、いよいよ満を持してDリーグにコンテンポラリー作品をぶつけてきた!しかもSPダンサーも引き連れて!というワクワク感もあり。
男性の声で朗読されている詩が、ティザーで詠まれていたものと同じであることに驚いた。“The world has finally recognized you” (「世界がやっと君に気づいた」)の一節のあと、曲が展開するタイミングでテロップ表示された「STEPS」の楽曲タイトル。この瞬間にゾワっとした。映画の冒頭の導入部分で興味を惹きつけられて、タイトルがドン!!と映り、これから始まる物語に入り込んでいくあの感覚に近かった。
冒頭の刈谷さんをはじめ、SPダンサーの御三方と亜彩実さんの一挙手一投足が放つオーラ、説得力が物凄い。この作品においては、観客の潜めた息=歓声であり喝采だったと思う。
白と黒の衣装に分かれた6人と、その間に居るまゆむさん。「VALUE(価値)」と結びつけて考えると、「白黒」からは「良し悪し」「優劣」「賛否」「好き嫌い」といった評価軸が頭に浮かびました。近年は「共感できるか否か」も評価軸にされがちのように感じます。こうした評価軸が白と黒の6人に重なったのはなぜかと考えると、わかりやすくて単純な2軸で物事が評され断ぜられることに、私自身が窮屈さと限界を覚えることが増えたからだと思います。こんな風に自分の意識下にあるものを投影してしまうことが、アルトリの作品を見ているとときどき起こる。
机は舞台装置の役目もありながら「ケンジ、ミスズ、ゴッホ…」らに限らず歴史上のあらゆる作り手のあらゆる作品を価値付けする俎上のようにも映ります。白と黒の間に割り入ったまゆむさんは、スッと立ったり、倒れたり、揺らいだり。
7人は手や体同士が触れあったり、リフトしたり、向かい合って視線を交わす瞬間もある。だけど表情は誰一人心を開いていなくて、それでいていつどの瞬間もうっとりするほど流麗な動作で魅せてくるから、相反する成分を同時にぶつけられてるみたいで何とも言えない不思議な感覚に襲われた。
そして配信ではダンスを重視したカメラ割りだったのでしょう、最初と最後しか映らなかったAngeloさん。Angeloさんいるアングルで観ると、作品の印象がかなり変わりました。
youtu.be Angeloさんは観客に対する語り手であり、ステージ上で展開される物語(歴史上で生み出されてきた表現が批評と解釈を重ねて価値付けされ、時代の流れとともにその価値が揺れ動く様、のように私には映りました)を冷静に客観視する観察者のようでした。「踊る」以前にただ「居る」ことの持つ力と、その強さを感じました。
そして草間小鳥子さんの詩は確実にこの作品の核でした。
21-22シーズンの「ONE」のティザー*1を見たときから、草間さんの詩の朗読で踊るアルトリをいつか見てみたいと思っていたんですが、早くも叶って嬉しかった。note.com
わたしの表現はわたしだけのもの
時にあなたのためのものとなるが
あなたたちのものだったことは一度もない
創作者としての尊厳が滲み出ていて胸を打たれた一節でした。
アルトリって「ファンや観客だけでなく、パフォーマンスを支える“あらゆる人”のために活動するダンスチーム*2」ではありますが、実際のところ「誰かのために!」というガツガツした押し付けがましさのような類いは、チームの作品や活動からも、メンバーの立ち居振る舞いからも臭ったことが全然ないんですよね。だからか、チームの根っこにこの精神があるのかなぁと思ったりもしました。